NBR Study Navi 第30号 脳波試験

第30号 2019年3月1日 営業企画部発行

脳波(Electroencephalogram : EEG)による覚醒睡眠パターンの解析は臨床で睡眠障害の診断に利用されます。睡眠はNon-rapid eye movement(Non-Rem)睡眠とRapid eye movement(Rem)睡眠に大きく分けられます。ノンレム睡眠とは睡眠の大部分を占める睡眠深度の深い眠りで、脳の活動が低下した状態の睡眠です。レム睡眠とはノンレム睡眠から覚醒に移行する時に多く観察され、脳が活動状態にあり、筋肉が弛緩した状態の睡眠です。
脳波は多数の神経細胞から誘起された活動電位であり、この解析を行うことで脳の活動をおおよそ把握する事ができます。当社では、SleepSignの自動判定後に熟練の判定者が睡眠ステージ解析を行い、脳波を指標としたさまざまな試験に対応します。また、痙攣時や昏睡時などの異常脳波の評価も実施します。

<マウス・ラット>

Wake(覚醒期)

Non-Rem(ノンレム睡眠期)

Rem(レム睡眠期)

マウス・ラットでは覚醒期、ノンレム睡眠期、レム睡眠期の3ステージに分類します。

<ウサギ>

ウサギでは覚醒期、軽睡眠期、ノンレム睡眠期、レム睡眠期の4ステージに分類します。

<イヌ>

イヌでは覚醒期、軽睡眠期、ノンレム睡眠期(2ステージ)、レム睡眠期の5ステージに分類します。

評価方法

睡眠覚醒周期

①ノンレム睡眠及びレム睡眠潜時
②ステージ占有時間及び占有率
③覚醒回数

周波数解析

①ノンレム睡眠及びレム睡眠における角周波数分布のヒストグラム
②δ、θ、α、β帯域の占有率

モデル動物を用いた評価

1.水浸飼育による断眠ラットを用いた評価
2.ラットの恒暗飼育による睡眠障害モデルを用いた評価
3.慢性社会的敗北ストレスマウスを用いた評価
4.疼痛モデル動物を用いた評価

恒暗飼育による体内時計の変化(活動周期移動)

横軸は時間軸を示し、縦軸は飼育日数を示す。黒い部分は活動期を示し、恒暗飼育日数の経過に伴い、活動期の終了時間に遅れが生じている。

脳波測定システム構成(記録方法:有線)
•睡眠解析研究用プログラム SleepSign(キッセイコムテック)
•生体情報集録プログラム Vaital Recorder2(キッセイコムテック)
•脳波収録用アンプ BAS-8104PS(Biotex)

ダウンロードのご案内

Navi 3月号(第30号)紙面のPDFファイルはこちらよりご覧いただけます。