vivo第107号 NBRの中枢試験

vivo 2016年8月号(第107号)2016年8月1日 営業企画部発行

βアミロイド脳室内投与痴呆モデル(マウス)

マウスの脳室内にβアミロイドを投与することで、Y迷路試験における短期記憶障害を発現します。
被験物質の記憶障害改善作用を評価します。

実験の概要
  1. 試験系
    動物:雄性ddYマウス
  2. 方法
    マウス脳室内にβアミロイドを注入し、注入後6日目にY迷路試験を実施する。
    被験物質は注入の2日前から経口投与する。

Y迷路

自発的交替行動率

**p<0.01 v.s. Vehicle

#p<0.05 v.s. A β(25-35)+Vehicle

アルツハイマー病モデル(PS2APPマウス)

アルツハイマー病とは、神経細胞の進行性の変性と脱落を伴う神経変性疾患で、記憶力の低下と認知機能障害、精神症状や行動異常を発症します。
今回プレセニリン2(PS2)変異マウスとアミロイド前駆体タンパク質(APP)変異マウスを交配させたダブルトランスジェニックマウスを用いて、行動・生化学・病理の評価が可能になりましたのでご紹介します。APP変異マウスと比較して、早期に薬効評価が可能です。

試験データ
〜5ヶ月齢の恐怖条件付け試験〜

電気刺激を負荷し、翌日に電気刺激なしの条件で無動時間を測定

〜5ヶ月齢のモーリス水迷路試験〜

プラットホーム通過回数

Goal latency

評価項目
1.行動試験
  • ・Y迷路試験
  • ・モーリス水迷路試験
  • ・受動回避試験
  • ・恐怖条件付け試験
  • ・新規物体認知試験
  • ・日内活動量測定
  • ・オープンフィールド試験
  • ・高架式十字迷路試験
  • ・尾懸垂試験
  • ・Social interaction試験
2.生化学的検討

 ・マイクロダイアリシス(アセチルコリン、グルタミン酸)

3.病理組織学的検討

 ・βアミロイド免疫染色
※当社では、その他多数の中枢試験モデル動物・評価系の開発に力を入れています。
詳しくはお問い合わせください。

PS2APPマウスはオリエンタル酵母グループで動物の作製が可能です!!

NBRの中枢試験

‐各種中枢神経疾患の病態モデル動物を用いて薬物の有効性を評価します‐
モデル 動物種 陽性対照物質 評価
認知症 PS2×APP-WTg マウス ドネペジル
メマンチン
モーリス水迷路等
マイクロダイアリシス(ACh)
病理組織評価
Aβ脳室内単回投与モデル マウス ドネペジル
ペリンドプリル
Y迷路
受動回避
オリゴマー体Aβ脳室内連続投与モデル ラット 八方向放射状迷路
マイクロダイアリシス
(Ach、グルタミン酸)
免疫染色
基底核イボテン酸注入モデル ラット ドネペジル モーリス水迷路
スコポラミン健忘モデル ラット モーリス水迷路
受動回避
チアミン欠乏モデル マウス 抑肝散 受動回避
老化促進モデルマウス(SAMP8) マウス モーリス水迷路
受動回避
パーキンソン病 6-OHDA内側前脳束注入モデル ラット L-DOPA
ゾニサミド
回転運動量
マイクロダイアリシス(DA)
病理組織評価
ロテノン黒質注入モデル ラット ゾニサミド ローターロッド
DA含量
病理組織評価
うつ・不安 嗅球摘出モデル ラット ミルナシプラン
フルボキサミン
パロキセチン
情動過多評価
高架式十字迷路
マイクロダイアリシス
(NE、DA、5-HT、Glu)
卵巣摘出モデル マウス ミルナシプラン 強制水泳
慢性緩和ストレスモデル ラット ミルナシプラン ショ糖嗜好性試験
強制水泳試験
チアミン欠乏モデル マウス 抑肝散 強制水泳試験
高架式十字迷路試験
PS2×APP-WTg マウス ドネペジル
メマンチン
オープンフィールド
高架式十字迷路
社会的敗北ストレスモデル マウス ミルナシプラン 高架式十字迷路
統合失調症 PCP連続投与モデル マウス リスペリドン 強制水泳
新生仔時期PCP投与モデル マウス クロザピン Social interaction

ダウンロードのご案内

VIVO8月号(第107号)紙面のPDFファイルは こちら よりご覧いただけます。